Top / 162 参議院 厚生労働委員会 25号 平成17年06月14日

○中原爽君
 おはようございます。自民党の中原でございます。三十分という持ち時間でございますので、できるだけ手短にまとめていきたいと思います。

 お手元に配付をいたしました資料、三枚ございます。いずれも、今回の介護保険法の改正案の中で厚生労働省がお出しになりました参考資料を適当に切り張りをいたしまして用意をしたものであります。右の上の方に数字番号が振ってございます。

 最初の、この1の数字のものですが、これは、これから改正をしようという附則の第七条、「定義」というテーマのところでございます。黒い矢印が二つございますけれども、右側の方をごらんいただきますと、この七条の二項につきましては、要支援状態という、この要支援状態の説明と、それから厚生省令で定める期間という期間、それから厚生省令で定める区分、この三つについてこの七条の二項で説明をしていると、定義をしているということであります。

 ここのところは従来の、従来というか、現在の法令とは少し異なっておりまして、現在の法令はこの要支援状態の説明がありません。ありませんというよりも、「要介護状態となるおそれがある状態」と、こういう表現になっておりまして、要支援という言葉はこの七条の二項のところでは出てまいりません。しかし、厚生省令で定める期間とそれからその状態ということについては、区分ということについては、区分そのものはここには、現在のものには書かれておりませんけれども、上の、この左側の黒い矢印のところをごらんいただきますと、七条の四項でありますが、ここで、「この法律において「要支援者」」ということで「者」が書いてございます。これは現在の条文と同じでございまして、現在の条文も「要支援者」という形になっております。

 そうしますと、現在の条文で要支援という言葉が出てくるのはこの四項だけでありまして、この改正案の四項は、要支援状態、横一、横二が要支援状態ということで説明になっておりまして、あとの、特定の疾病によって生じたものとかそういうもの、あるいは四十歳、六十五歳、これは変わりはないわけでありますけれども、要支援状態ということで、この支援という言葉がここに入ってまいりまして、要支援者の定義がまあどちらかといえば明確になったと。現在のものは、この要支援状態に係る用語としては要介護状態となるおそれがある状態と、こういうふうに書かれているわけであります。

 こんなところが違っているということですけれども、このことについて一応どういう形でこれを考えるかということでありますけれども、現在も厚生省令で定める期間というのが設定されているわけであります。ところが、今回は要支援の状況について要支援の一と二に分けて、更に要介護の一がくっ付いてくるということで三つになっているわけであります。  そうしますと、厚生省令で各々の期間を定めるといいましても、どういう期間なのかということ。あるいは、この区分を三つに分けるという、こういう区分について厚生省令で定めると、こうなるわけでありますけれども、それでは、現在の厚生省令で定めているものとどう違うのかということについて概略お聞きをしたいというふうに思います。いかがでしょうか。

○政府参考人(中村秀一君)
 お答え申し上げます。
 今、改正法案につきまして委員から御説明があったとおりでございまして、七条の定義の二項のところなどは従来の定義規定からは変わっております。従来の定義規定は、「要介護状態」それから「要介護状態となるおそれがある状態」と、そういう区分でございましたが、今回の介護の法案では、言わば新しい予防給付をつくっていくという観点から、要介護状態と要支援状態と分けさせていただきまして、要支援状態の人に対して予防給付がなされる、要介護状態の人に対して介護給付がなされると、こういう規定の仕方になっております。

 厚生省令で定める期間ということでございますが、現在六か月とされておりますけれども、今後、期間定めさせていただきますが、七条の一項、二項、それぞれ六か月というようなことを想定いたしております。

 委員の方から、厚生省令で定める区分ということが二項に入ったけれどもというお話でございますが、厚生労働省令で定める区分のところでは、要支援状態につきまして、従来、要支援は要支援だけでございましたけれども、そこを二つの区分に分け、要支援一及び要支援二という区分を付けさせていただくと、そういうことを考えております。

○中原爽君
 ただいま御説明ありましたように、この区分については、区分の状態は増えているわけですから、法令上は、区分を決めるということで、要支援の一、二とそれから要介護の一というふうに三つの区分になったという趣旨が法令上出てきたということであろうかと思います。

 期間につきましては六か月というお話がございましたけれども、要支援の一と要支援の二の状態でその期間が違うのかという疑問がありましたのでお聞きをしたわけであります。  そんなことで、今後の省令の在り方についてやはり目を通していく必要があろうかということで質問をさせていただいたわけであります。

 それでは、資料の二枚目でありますけれども、ごらんいただきたいと思います。  資料の二枚目につきましては、下半分のところが保険給付と要介護状態の区分のイメージの図でありまして、ただいま法令の案で出てまいりましたとおり、従前の、現在の、現行区分の要支援と要介護の一のところが、この左側の図のように予防給付という形で要支援の一と要支援の二、仮称、ということに分かれたということの説明が先ほどの七条の二項ということになっていたわけであります。

 そういうことで、この状態をこれからどういう形で考えていくのか。いろいろ御意見ですと、この要支援の二つに分けた状態については、今すぐということではなく、少し猶予の期間を置いて、こういう形を検討しながら、いずれこの形に整えるということがあってもいいのではないかという御意見も出ているわけであります。

 このことについて、上の方の黒い矢印、一番上でありますけれども、予防給付について新たなサービスを取り入れるわけでありますから、その具体的な内容というのが書かれてありまして、筋力の向上、栄養改善、口腔機能の向上、この三つが掲げてあるわけであります。このことについて少しお尋ねしようと思いますが、筋力のことについてはさんざん御意見も質疑もされておりますので、口腔機能ということについてお尋ねをしようかというふうに思います。

 さらに、下の方にマネジメントの体制がありまして、市町村を責任主体としてこの介護予防のマネジメントの体制を整えるということであります。

 それについて、具体的な内容というのは、この地域包括の支援センターを設立すると。これは十九ページで後述と書いてありますが、後でこのことを申し上げたいと思います。保健師などが、.▲札好瓮鵐函↓▲廛薀鷓鄒、事後評価を行うと、こうなっているわけであります。従来からこれ、この件について質問が出ておりますけれども、この保健師などという内容はどうなのかということでありまして、この要支援の一あるいは要支援の二を設定するについて保健師が関係をしておりますこの支援センターの中の運営委員会あるいは検討委員会、そういったところでどういう形でここが設定されるのかということが疑問で出てくるわけであります。

 そのこともさておいて、この介護予防のサービスにつきましては、サービスの開発小委員会がありまして、そこで中間取りまとめをしたということが衆議院の方の委員会で四月の十五日の質疑で、質疑が行われておりまして、新たに個々人に対するサービスである新予防給付への導入が適当と認められるものは、これら、文献等による検討によって、運動器の機能向上、栄養改善、口腔機能の向上であったということで局長は答弁をされておられるわけでありますし、また、この件についてモデル事業を行うということでありますが、当時は、四月十一日がこのモデルの事業の実施の締切りであったということで御答弁をされているわけですが、実際、この衆議院の厚生労働委員会は四月の十五日でございましたので、実際にモデル事業の結果がどう出たかということはこの四月の時点ではお分かりになっていなかったのかというふうに思いますので、このモデル事業関係についてコメントがございましたらお願いをいたします。

○政府参考人(中村秀一君)
 お答え申し上げます。
 新しいサービスの導入の経緯でございますが、元々平成十六年一月に高齢者リハビリテーション研究会という研究会で口腔ケアについての重要性が指摘されておりまして、低栄養、転倒・骨折、気道感染、閉じこもりに関する予防効果があるので、こういう口腔ケアということについて考えていく必要があるという御指摘をいただきました。その後、私どもの老人保健事業の見直しに関する検討会の中間報告が同じ年の十月、十六年の十月に出されておりますが、そこでも、生活機能低下の早期発見、早期対応の一環として、口腔機能の評価、維持向上、そういったことが指摘されているところでございます。

 それらを受けまして、今委員から御指摘がありましたサービス開発小委員会を設置いたしまして、昨年十月以降検討をいただき、国内外の文献を評価、検討した結果、運動器の機能向上、栄養改善、口腔機能向上につきましては有効性が確立しているプログラムと、こういうことで取り組みさしていただいております。

 市町村モデル事業の結果といたしましては、この口腔機能向上につきまして、要介護度の改善については全体として統計学的に有意な改善が見られた、特に身体機能等に関する項目の改善につきましては、歯肉炎の有無、口腔清掃状況、口臭において統計学的に有意な改善が見られたこと、年齢別に見ますと、七十五歳以上と七十五歳未満の改善率については大きな差は認められなかったなどの結果をいただいております。

○中原爽君
 ただいま御説明ございましたように、衆議院の方での局長の御答弁の中には、口腔機能の向上につきましては、口から食事を摂取する機能を維持するため、日常の口腔清掃、歯科保健指導、摂食機能訓練等のサービスが中心になり、通所サービスの中で提供していくことを想定していると、こういうふうに御説明になっておるわけであります。

 この口腔機能の向上ということと、口腔ケアという言い方があるわけでありますけれども、実質的には、口腔機能を向上させるというのはまあ通常の口腔機能を維持するということでありまして、口腔機能がめちゃくちゃに良くなるということではなくて、通常の一般的な口腔機能がずっと維持されていくと、低下しないということが一番大事なことであります。

 したがって、口腔ケアというのはその維持のためのケアでありまして、機能とケアとはまた言葉の上では違うわけであります。したがって、機能といいますと、摂食機能、物を摂取する機能、それからそれをかみ砕く、そしゃくの機能、それからそれを飲みこすということの嚥下の機能と、それから、口腔でありますから、発音、発声、それと言葉を形作るという言語中枢にかかわる構音の機能と、こういった機能があるわけであります。

 それぞれそれの障害があるわけでありまして、摂食の障害、そしゃく障害、嚥下障害、それと発音と構音の障害、これがくっ付いてくるわけである。この障害を起こさないためにケアを行うというのが口腔機能に対する口腔ケアということになるわけである。そこのところを区分をするという必要があるというふうに思います。

 それで、先ほど局長の御説明によります、いろいろな御答弁の中の問題については、二月の自民党のヒアリングがございまして、そこで日本歯科医師会から一応ペーパーが出ておりまして、口腔機能向上と介護の予防というペーパーであります。そこの中に口腔機能向上による低栄養の予防、それから口腔機能改善による転倒の、倒れるという転倒の予防、それから気道感染の予防、閉じこもりの予防という一応のデータが出ているということでございますので、こういったことを踏まえて、小委員会での検討あるいは実質的なこれの調査ということを踏まえて局長は答弁されておられるんだろうというふうに思います。

 しかし、このほかに自民党のヒアリングでは、日本言語聴覚士協会から言語聴覚療法ということについての介護予防、通所リハビリについての御要望なども出ております。これもお聞きする必要があると思うんですが、言語聴覚療法というのは現在基準が三種類ございまして大変、施設基準としては、人員の構成、それからこの療法室の設置、こういったことがきちっと決められておりまして、これをどこか介護施設へ持ち込んで行うという療法ではなさそうであります。基準の一、基準の二、基準の三というのがあります。

 そのほかに、先ほど出てまいりました摂食機能についての療法、これは施設基準はないわけでありますけれども、例えば一回三十分以上で百八十五点、一か月のうち四回が限度だということでありまして、医師、歯科医師の指示の下に言語聴覚士又は看護師等が行うものを摂食機能の療法と、こういうふうに言っているわけである、摂食機能の障害があるということに対してであります。このときに嚥下訓練も摂食療法として算定すると、こういう規定が青本の中にこれはあるわけでありますけれども、こういったことを踏まえて考えていきますと、お手元の資料の三でありますが、最後の三のところをごらんいただきたいと思います。  こういったことを行うために、地域包括の支援センターが創設されるということでありまして、黒い丸印が三つございますけれども、それと下の方に矢印が三つで、 ↓◆↓とありますが、これは私が勝手に付けた印であります。

 一番上の黒い丸、運営の主体というのは、市町村から始まりまして、センターの運営主体、それとそのセンターの職員の体制につきましては保健師、経験のある看護師、主任ケアマネジャー、社会福祉士等と、こうなっております。この体制、支援センターを運営するにつきましては、三つ目の丸で、地域包括支援センター運営協議会という協議会で動かしていくということであります。

 この協議会については、一番下の図式のところの四角く囲ったところで、居宅サービス事業所、それから行政、それとNPO、それから支援の事業所、それから地域の医師会、それから介護保険の施設と、こういったことが一体になって運営協議会を形成している。この職員につきましては、右側の方の保健師等がマネジメントを行いまして、この介護予防のマネジメントを実施すると、,里箸海蹐任△蠅泙后△凌畦祝謬詆佞伐雜遒陵祝瓢業がここで行われるという形になり、それについてはの主治医が関係している。アセスメントの実施を策定しましてプランを作っていくと。それで、事業者によるこの事業実施ということを行いまして、それでまた更に再びこの再アセスメントも行うと、こういうシステムで動くわけでありますけれども、この図式からいいますと、このマネジメントを行うのは主にこの右側の保健師等が行うということでありまして、主治医がどう絡むのかという説明はこの図式からでは出てまいりません。

 この辺りの実質的にこれを運営していくのは、やはり介護の認定の審査会、これがあるわけでありまして、そうしないと再アセスメントも決まらないということでありますが、ここに書かれておりますマネジメントと、それとこの介護認定の審査会、現在あると思いますが、それとこの運営の協議会、こういったかかわりについて概略の御説明をいただきたいと思います。

○政府参考人(中村秀一君)
 お答えを申し上げます。
 まず、要介護認定に該当された方あるいは要介護認定に申請される方は、市町村の認定審査会、お話のありました認定審査会で審査を受けるということで、先ほどお話に出ております要支援に当たるか要介護に当たるかも含めまして、そこの審査会の判断が出るということでございます。要介護認定の有効期限がございまして、有効期限が参りますとまた更新の要介護認定を受けると、こういう流れになろうかと思います。

 要介護認定につきましては、主治医の意見書、そういったこと、それから専門家による要介護認定の作業が行われるということになります。要介護認定に該当された場合、要支援なり要介護に該当された場合につきまして議論になるわけですが、地域包括支援センターのお尋ねでございますので、要支援の方々につきましては介護予防のマネジメントとして地域包括支援センターが従事することになります。

 この予防マネジメント、介護給付につきましては、ケアマネジャーが行っておりますケアプランの作成の言わば介護のマネジメントと同一でございますが、アセスメントを実施し、プランの策定をし、そこで事業者の方による事業実施になると。そこの部分で、今、先ほど委員御指摘ございました言語聴覚士さんたちの関与、あるいは歯科医師、歯科衛生士さんたちの関与するサービスが提供されるわけでありますが、そこでも評価が必要でございますので、ケア担当者の会議などを開いていただく。そういったことについて、この保健師等が中心になる地域包括支援センターでそこのところのマネジメントをしていくということで、あくまでもサービス提供なり、それから専門家の関与につきましてはケアカンファレンスでその関係の専門家の御意見を踏まえてやるという関係になると思います。

 三点目の御指摘でございます地域包括支援センター運営協議会は、地域の方々が集まっていただきまして、市町村が行っていただきます地域包括支援センターの事業、市町村が行うという意味は、直営で設置される場合もありますし委託される場合もあると思いますが、この地域包括支援センターの事業が地域において正しく運営されているかどうかということを言わば評価していただき、言わば監督していただく機関として運営協議会を設置していると、そういう関係でございます。

○中原爽君
 御説明いただきました。説明上はそういう形になるわけでありますけれども、結局、このセンターの機能ということでありますが、市町村でこれセンターを抱え込むということ以外に、その地域の事業所に委託をするという場合も起こり得るという説明になっているわけでございます。したがって、今後、現在の状況と違って要支援の一、要支援の二という状況に分かれて、さらに要介護の一がくっ付いてくるということになります。各々の区分について、だれがどう考えてそれを仕分けをしていくのかということになります。

 例えば、先ほど申し上げた口腔機能について言えば、摂食の障害がある、そしゃくの障害がある、嚥下の障害がある、発音の障害があるということについて、一言で口腔機能と言いましても中にいろんな障害があるわけであります。例えば、今出回っております成書というか指導書で、これが嚥下障害ナーシングという、嚥下障害の問題、これが口から食べる嚥下障害のQアンドAということで、それであと口腔ケアと、これ全部介護にかかわります施設に日々常勤で勤務をしておられる看護師さんに向けた指導書というか実質的な日々の状態のものに対するものであります。この嚥下障害一つ取ってもこれだけの成書が今出回っているという状況であります。

 こういったことを踏まえて、単に口腔機能の改善、あるいは向上、あるいは維持という問題についても非常に複雑な経過の中で検討をしなければならないということでありますので、この点のところをしっかり確認をしていかなければいけないというふうに思います。

 それでは、あと時間もございませんので、現在のホームヘルパーの養成状況について概略だけ御説明いただきたいと思います。

○政府参考人(中村秀一君)
 お答えを申し上げます。
 ホームヘルパー、訪問介護員の養成状況につきましては、一級から三級ヘルパーの養成研修の修了者数が平成三年度から十五年度までの累計で二百三十五万人、毎年度三十三万人から三十五万人程度の方がヘルパー養成研修を修了しているところでございます。

○中原爽君
 ありがとうございました。

 かつてゴールドプラン21というのがございまして、二〇〇四年度の末までにヘルパーの養成三十五万人を目途ということでありました。現在、これに近い数字にはなっておるわけでありますけれども、三十四万七千九百名余ということであります。したがって、今後の介護保険の制度とこのホームヘルパーの資格等の在り方についても検討をしていただきたいと、更に続けていただきたいというお願いを申し上げて、時間になりましたので終わります。

 ありがとうございました。


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Last-modified: 2008-03-29 (土) 15:20:23 (4485d)