Top / 162 参議院 決算委員会 11号 平成17年05月16日

○中原爽君
 中原でございます。
 本日は、平成十五年度の会計検査院報告書、検査の報告書から四点ほど質疑をお願いしておりますけれども、持ち時間の関係から、特に特定検査状況の方から質問をさせていただきたいと思います。
 まず、独立行政法人のかかわりでありますけれども、検査院の報告には、「独立行政法人における還付消費税の処理及び納付消費税の会計処理について」という項目がございます。
 消費税は、御存じのとおり、仕入れに係る消費税額と、それから売上げに係る消費税額の差額について、それがプラスであれば納税義務と、マイナスであれば還付してもらえると、こういうシステムであります。
 それで、消費税の会計処理については、消費税そのものを税込み処理で行う方式、あるいは税抜きという形の処理の方式、二つが認められているわけでありますけれども、このうち税込みの方式で処理をいたしますと、収益と費用も税込みで計上されるわけでありますから、利益で算出されるもの、これも税込みで算出されますし、納付の関係、こういったものもすべて消費税が表に出た形で処理されるわけでありますけれども、民間の場合には、この消費の税務処理の仕方が税込みであろうと税抜きであろうとどちらでも結果は同じになるということでありまして、問題はないということであります。しかし、独立行政法人の場合には、国からの運営交付金がある、あるいは当初、法人化する当初に国からいろいろな施設等のものを移譲させてもらうということがございまして、それについてどういう処理をするか、当然消費税の問題が起こるわけであります。
 平成十三年度から十四年度にかけて設立された独立行政法人、これを先行法人と言っているわけでありますけれども、この場合、設立の際に国から譲り受けた建物、こういったものについてその出資の財産というものは消費税の対象として取り扱われてきたということでありまして、かなり高額な消費税額になったということであります。ところが、平成十五年度以降の独立行政法人については、これ後発法人と言っているわけですけれども、これ十五年の四月の税制改正によりまして国からの現物の出資というものが消費税の対象から外されるということになりました。
 したがって、このところが先行法人と後発法人がこの消費税の在り方について税制上異なったことになったと、これが一つあります。そうして、この還付する消費税、あるいはもらってしまう消費税という言い方かもしれませんけれども、納付のものと還付されたもの、あるいはその関係をどうするかということがいろいろ問題になってきたわけであります。
 それから、一方、この独立行政法人の今後の経営状況につきましては、国から運営の運営費交付金というものが出てくるわけでありますけれども、この独立行政法人の財源措置ということが平成十六年の現在で三兆円、全部の独立行政法人で三兆円に及んでおります。そのうち運営費の交付金というのが約五〇%、五一%ぐらいでありまして、一兆五千億ぐらいの金額になります。
 こういったものに基づいてこれから先独立行政法人が運営されるわけでありますけれども、十六年度現在でこの運営交付金をプラスした財政の措置という金額が一千億を超えるという法人が十法人あるということであります。したがって、今後、こういった運営費の交付金を、運営費交付金を毎年どの法人がどういう形で使うかということが非常に問題になるわけであります。
 したがって、お聞きしようと思っておりますのは、最初の消費税の問題でありますけれども、消費税について、その後国に返すべきものをどうするかという問題があります。幾つかそれでお聞きしたいと思いますけれども、最初に少し触れました、平成十五年度四月の消費税の施行令によりまして国から現物出資が消費税の対象とならないような、譲渡範囲から除かれるという法人が後発法人でありますし、それと、それ以前の十三年、十四年に係る先行法人、これが税制上違っているということになったわけですけれども、どうしてこんなことになってしまったのかということをお尋ねしたいと思います。
 先行法人と後発法人との税制上の違いが十五年度の消費税法の施行令の改正によって生じたということについてどう説明をされますかというふうに伺いたいと思います、これが一つ。どうでしょうか。

○政府参考人(佐々木豊成君)
 独立行政法人の設立時の消費税の取扱いの変更についてお答え申し上げます。
 独立行政法人制度は平成十一年に創設されまして、平成十三年の四月から多くの独立行政法人が設立されたところでございますが、その設立に当たって国等からの現物出資の方法が多く用いられておりまして、消費税におきましては現物出資に伴う建物や施設等の移転については課税対象だとされておりますので、そういうことからこれらの法人の設立時の現物出資も課税ということにされていたわけでございます。
 しかしながら、独立行政法人の事業の承継方法につきましてつぶさに見ますと、各独立行政法人の設立に関する個別法の中でそれぞれ事業内容等を踏まえて定められておりますが、現物出資の形式を用いている場合でありましても、その実態を見ますと、個々の法律に基づきまして実質的に事業の承継は権利義務関係が一体的、包括的に行われておりまして、消費税が課税されます資産の譲渡等に該当しない、例えますと商法の新設分割とか新設合併による事業の承継に類似しているという状況がございました。
 このような実態を踏まえまして、またさらに、平成十三年十二月に閣議決定をされました特殊法人等整理合理化計画に基づきまして平成十五年度以降も多数の特殊法人等の独立行政法人化が進められるという状況でございましたので、その税制上の整備の一環としまして、現物出資でも特別の法律に基づく承継に係るもの、これにつきましては資産の譲渡等に類するものとされております今の現物出資というところから除くという改正を行ったところでございます。

○中原爽君
 ただいまの御説明に関係があることでありますけれども、この先行の法人で、特に先行法人の中には、先ほど申し上げたように税抜きで経理処理をする場合、税込みで経理処理をする場合、こういう形があるわけでありますけれども、税込みで経理処理をする法人の方が先行法人は多いということが言われております。そうしますと、平成十五年度の末の時点で、先行法人の中の税抜きの経理法人の還付消費税の国庫納入が確定していないものがあるんだというふうに会計検査院は指摘をされておりまして、この国庫納付金の法人内に長い間これ長期化して保有期間があるということは望ましいことではなかろうと、これをなるべく処理をしなさいという御指摘があったと思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。

○政府参考人(藤井昭夫君)
 先生御指摘の十三年度、十四年度のいわゆる先行独法について還付消費税という問題が生じているということで、その金額については本来国庫に納付されるべきものというふうに私どもも考えているところでございます。
 ただ、問題は、仮に残余金があったとしても、現行の独立行政法人制度の仕組みでは毎年度国庫納付にするという仕組みが取られていないと。これはなぜかといいますと、やっぱり独立行政法人制度の制度創設の趣旨にもかかわってくるんでございますが、基本的に従来、行政機関であればなかなか事業運営的な運営ができなかったと、例えば単年度会計主義による厳格な会計処理の問題もあるというふうなことで。そこで、通則法では中期目標期間というものを定めまして、その目標期間、大体五年から三年ぐらいなんですが、その間はやっぱり財務面でも総合的な運用と申しますか、そういうような仕組みを設けることの方がより独立行政法人制度の趣旨が生かされると、そういう仕組みになっているということでございます。
 ただ、いずれにしても、繰り返しになりますが、この還付消費税の問題は、いずれ相殺という形もあるようでございますが、国庫に納付されるべきことは確かでございますので、やっぱりそういう目標期間中、まず明確にやっぱりその額というものを管理していただくと、その上で目標期間終了した後、精算していただいて納付していただくということが必要でございますので、その点につきましては、既に財務省からその趣旨の徹底が図られているところでございますし、また別途、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会というのもございますが、これも平成十四年十二月に第二次意見ということで公表しているところでございます。
 私ども行政管理局としてもその制度を所管する役所として、やっぱりしっかりそういうお金が納付されるのかどうか注視していかなければいけないというふうに考えているところでございます。

○中原爽君
 それでは、引き続きまして、運営費の交付金の件でありますけれども、「決算乃視点」という雑誌がございまして、そこに論文が出ております。そこに、「独法制度の特徴の一つとして、弾力的な財政運営を可能にするための運営費交付金(渡切費的な財源)」と、こう書いてございます、制度の創設があったということであります。
 それで、先ほど申し上げたように、この交付金が十六年度で一兆五千億ほどあるということを申し上げました。このことについて、先ほども申し上げましたけれども、多くの独立行政法人は税込みの経理処理方式を採用しているわけでありますけれども、会計検査院所見では、納付消費税の会計処理について、納付消費税を運営費交付金の収益化の対象の事業費から除くということで、この当期の収益は税抜き処理となるということで、国からの運営交付金はすべて事業費として有効利用されるということが望ましいというような形のことが書いてございます。
 すなわち、運営交付金以外のものの収入といった形のものの事業費との処理と、いろいろな形のものが掛かってくると思うんですけれども、この点について総務省の資料では、平成十四年度の十二月で、財政評価・独立行政法人評価委員会がございまして、そこで運営費交付金が全額収益化されず運営費交付金債務として残された場合の分析をどうするかとか、そういうことが検討されております。したがって、今後、運営費交付金が一種の渡し切りの財源ということであるのかどうかも含めて総務省として今後どういう御指導をされるのか、伺いたいと思います。

○政府参考人(藤井昭夫君)
 行政管理局は独立行政法人制度というのを所管するという立場から申し上げたいと思うんですが、これも先生既に相当御指摘のとおりでございまして、できるだけやっぱり独立行政法人という制度の趣旨が生かされるようにするためには、財務運営の面でも弾力的にやっていただくということが重要というようなのがやっぱり一番スタートになります。
 その上ででございますが、当然、物とかサービスを買った場合は消費税を納付するというようなのは独立行政法人でも変わらないわけですから、ただそれを、財源を運営交付金から充てるか自己収入から充てるかという問題ですが、独立行政法人はその二つが主たるものでございますので、全体としてはそんなに事業経費の額に影響を及ぼすものというふうには考えてはおりません。
 ただ、問題なのは、やっぱり全体としては、これ中期目標管理期間の中で独立行政法人が効率的、あるいは成果は上がったかどうかと、そういうものに使われたかどうかということが一番大事なんでございますんで、そのためにはやっぱり財務運営が、これも従来指導しているわけですが、企業会計基準にのっとってやっぱり透明性のあるような形で整理されていただくということと、あと事業の成果なんかもできるだけ目標管理と申しますか、そういう指標化されて客観的に判断できるような形でやっていただくと、その上で第三者の評価機関としての独立行政法人評価委員会なんかで適切に評価していただくという形で、全体としてやっぱり財務面での効率性、有効性というものも評価していただくというのは、現在の独立行政法人制度の言わば骨格となる仕組みになっているわけでございます。
 そういう意味で、その第一歩としては、やっぱりそういう財源をどこから出すかということもあるんですが、そういう消費税、納付消費税をどういうふうに計上したかということをやっぱりきちんと透明性を持って整理していただくということがまず肝要だと思っておりますので、その面での指導なり注視なりはしていかなければいけないと思っているところでございます。

○中原爽君
 ありがとうございました。
 今申し上げましたこの独立行政法人にかかわる問題については、独立した時点で、法人化した時点で国から移譲されましたいろいろな資産についての消費税の処理の状況について御説明いただいて、ということであります。
 それと、今御答弁ございましたように、今後、独立行政法人が財政運営をしていくに当たって、国からの運営費交付金のこの使い勝手をどうするかと。適正な使い方をしていただきたいという意味で、総務省及び会計検査院の御指導をひとつよろしくお願い申し上げたいというふうに考えております。
 それでは、もう一つの税制の問題でございますけれども、お手元に一枚の資料を配付をさせていただいております。租税特別措置法の二十六条の関係のものであります。
 これ、お配りした内容、上の半分が現在ずっと引き続いております租税特別措置法二十六条の関係で、医療機関、特に小規模の医療機関につきまして、社会保険の診療報酬の内容、それが五千万以下の場合に、この表にありますように四段階に税制の区分がございます、五千万円以下から二千五百万円以下までの四段階。二千五百万円以下の場合に七二%ということであります。これが、要するに社会保険診療報酬の七二%に満たない場合に、七二%相当額を必要経費あるいは損金として算入できるという計算をしていいというシステムであります。これは、今回初めてだと思いますけれども、会計検査院の方で特定検査の対象としてこれが検査をされたわけであります。
 現在のこの税制は、昭和六十三年に改正されました以降、ずっとこの四段階の数字のまま経緯をしているわけでありますけれども、これ詳しく述べますと、この措置法の二十六条は所得金額の算定上、社会保険診療に係る経費として必要経費に算入する金額は、社会保険診療に係る五千万円以下の収入を収入階層別に区分し、それぞれの金額区分ごとに定められた率を乗じて計算した金額の合計額とすることを認めると、言葉で言うとそういう形になるわけでありますけれども、この創設されました経緯というのは、実に昭和二十九年でございまして、昭和二十九年の十二月七日にこの参議院におきまして成立した衆議院の議員立法であります。当時はこの控除率は、まあ二八%、すなわち七二%相当額から出発しているわけでありますけれども、その後、五段階になったりあるいは四段階に改正されたりしまして現在の状況になっているということであります。
 この措置法が創設された趣旨というのは、社会保険診療報酬にかかわります改定率が大幅な引上げが困難だということに対する、まあ見返りと言うと語弊がありますけれども、そういう措置、特に零細な医療機関に対しての措置ということと、それから、社会保険診療報酬の適正化が実現するまでの措置という形であって、また、この医療機関が社会保険あるいは老人保健診療報酬にかかわる診療報酬の点数表によって規定されておりますので自由にはできないと、要するに統制経済の部分があるということでありまして、これが営利事業じゃないんだという性格があるということに対して面倒見ていただいたという趣旨で創設されたものであります。
 そういう経過がございますが、まず会計検査院にお尋ねしようと思いますけれども、今回この社会保険診療報酬を取り上げました経緯、法律としては非常に古い法律になると思うんですが、そういったものを再検討するという趣旨であろうかと思いますが、これを取り上げられた理由を御説明いただきたい。

○説明員(諸澤治郎君)
 お答え申し上げます。
 租税特別措置は、特定の政策目的を実現するための特別な手段ということでございます。公平、中立、簡素という税制の基本理念の例外措置として設けられているものでございます。
 税制につきましては、国税収入の落ち込みによる国の財政への影響が懸念されていることなどから種々の議論が行われておりまして、またその中でも租税特別措置につきましても議論がなされているという状況でございます。本院といたしましては従来から関心を持ってきたところでございます。
 お尋ねの十六年次の検査のことについてでございますが、これは前年度、十五年度の減収見込額というものが一兆二千八百二十億円という非常に、所得税に関する租税特別措置が、そういう大きな減収見込みが見込まれておりまして、その中からその適用状況、検証状況等を検査するというふうにいたしまして、その中で減収見込額が、所得税全体の中で、その中でもその減収見込額が二百二十億円というふうに大きいこと、それから、今先生からお話がございましたように、創設された年次が昭和二十九年という古いといったこと、そういったことを勘案いたしまして、お尋ねの社会保険診療報酬の所得計算の特例、これがどういったものかといったものを選定したという経緯でございます。

○中原爽君
 御説明ありましたように、この二十六条関係で税収が減るというのが二百二十億円ということでございました。
 お手元のお配りいたしました資料の下半分のところでありますけれども、表の4ということになっておりまして、上が診療科目別として歯科からその他の診療科が並んでおります。
 一番左の下の段、総計がございまして、この五千万円以下の、社会保険診療報酬の収入額が五千万円以下の医業の業種の人が四千三百三十四名いたということであります。そのうち、この二十六条を適用してもらったという人が千六百七十二名、特例適用者(b)であります。その比率は、一番右側にありますように、三八・六%でありまして、五千万円以下の収入の医療業者が全部この二十六条を適用したということではないわけであります。
 一番上の歯科のところをごらんいただきますと、(a)、該当者、五千万円以下の該当者が二千八百九十一名おりまして、そのうちの千六十七名がこの二十六条を申し出て適用したと。比率は大体六〇%を超える段階であります。これが、一番右側の科目別の適用率から見ると三六・九%しかないというふうに言われるんですけれども、しかしこれ、歯科に限らず全体の医療機関の五千万円以下収入ということで見ていただければ、少なくとも四千名おりまして、そのうちの千六百名が適用した中で、千六百七十二名のうち歯科の適用例が実に千六十七名ですから、六〇%を超える歯科医師がこの適用にあずかったということに理解していいだろうというふうに思うわけであります。
 したがって、特に歯科医療というのは大きな病院はありません。二十九の歯科大学の附属病院、それから医学部の附属病院で二百幾つかの中の歯科診療科、それとあとは全部町のいわゆる診療所でありまして、有床の診療所も数えるほどしかありません。そういうことであれば、ここに書かれておりますように、一番上に書かれておりますように小規模零細医療機関、零細という言葉が適当かどうか分かりませんけれども、小規模な医療機関にこの経営を安定を図るということでこういう措置法があるんだというふうに理解をしていただければというふうに思うわけであります。
 したがって、私は昭和二十九年に創設されたこの措置法の重要性というものは認識しているわけでございますけれども、今後、厚生労働省としてもこの措置法の意義というか、そういうことをどういうふうにお考えか、伺いたいと思います。

○政府参考人(岩尾總一郎君)
 先生御指摘のように、この措置法の適用が、地域で医療を確保していただいている歯科の先生あるいは皮膚科、眼科、耳鼻科等々の先生でございます。
 私ども、高い公共性を有する医療機関の経営の安定を図る、そしてこのような地域医療の確保に資するということを目標として制度が創設されたということでございますので、このような特例というのは今日においても重要な役割を果たしているという認識をしております。

○中原爽君
 それでは、この資料の一番下のところに、この診療科別における適用率は、皮膚科から始まりまして、診療科目によって開差が認められると、こういうふうに記してございます。これは会計検査院の報告書に書かれている言葉どおりでありますが、今後、会計検査院としてこの種の租税特別措置におきますいろいろな医療機関別の検査をおやりになる場合に、こういう開差についてどういうふうにお考えになるのか、一応伺っておきたいと思います。

○説明員(諸澤治郎君)
 お答え申し上げます。
 私どもの今回の検査でございますが、先ほど申し上げましたように、租税特別措置が税制の基本理念の例外として設けられているということなどを踏まえまして、まず特例の適用状況はどのようなものとなっているのか、それから特例に係る課税の執行は適正に行われているか、また特例の検証といったものが適切に行われているかという点に着眼して行ったものでございます。
 特例の診療科目別適用状況につきましては先生御指摘のとおりでございまして、歯科が他の診療科に比して高くなっているという、そういう状況がございます。このほかにも、私どもの調査では、地域別の適用状況でございますとか、特例適用者の税額の軽減の状況でございますとか、特例適用者と特例非適用者との比較等も記述をいたしているところでございます。
 これらの特例の適用状況に関するデータの収集というのは難しい面があるなどしております。しかし、特例の検証については、より一層内容を充実するということが必要だと考えておりまして、これによりまして政策の実効性を高めていくということとともに、国民に対する説明責任を果たしていくということが必要ではないかと考えているところでございます。
 本院といたしましては、今後とも、租税特別措置の実施状況につきましては、先生の御指摘も念頭に置きまして、その推移を引き続き注視していきたいと考えているところでございます。

○中原爽君
 御答弁ございましたように、今後、この特定検査につきましてお進めになる場合には御答弁のとおりで御考慮をお願いを申し上げたいというふうに思います。  それでは、あと十分足らずでございますので、もう一点、雇用保険の関係についてお尋ねしようと思います。
 雇用保険については二点ほどございまして、雇用保険の特定求職者雇用開発助成金の支給が、これは不適正であったということで不当事項になっております。それからもう一点、同じく雇用保険の失業等給付金の支給が不適正であったと、これ不当事項ということであります。
 いずれにしても、この両方の問題については既に返還された処置がとられておるわけでありますので、そういう金額的な面については問題にするわけではございませんけれども、特定求職者雇用開発というのは、特定求職者ですから、六十歳から六十五歳未満の高齢者で就職が困難な者、あるいは社会情勢にかんがみて、社会情勢が非常に悪化しているという場合で就職が困難だということに対して支援するという内容でございます。これで事業主に対して賃金の一部を助成するという形になっているということでありますけれども、こういったものが、今後どういうふうに考えていくかということであります。
 内容は、この失業等給付の財源というのは労使折半でありまして、この四月一日から千分の十四が千分の十六になりまして、各々千分の八ずつ労使が負担すると、こういうふうになりました。これが、財源として今後どういうふうに活用するかということの問題が一つあるわけであります。景気が良くなれば失業者は減るわけでありますし、政府としては失業率ということを非常に気になさるという状況になります。
 それから、もう一方の雇用保険制度そのものというのもこの四月一日から千分の十七・五が千分の十九・五に改正されまして、事業主が十一・五、それから労働者側が八と、千分の八という負担になっております。
 こういったことを踏まえて、この雇用保険というのは三事業、雇用保険の中の三事業というのも別建てであるわけでありまして、それも使用者負担、これは使用者の方が負担する、千分の三・五の負担になります。
 この三つの財源から成り立っているわけでありますけれども、いかがでしょうか、この雇用保険の財源として四月一日、この本年度の四月一日から十九・五、千分の十九・五に改正されたということの内容についてひとまず伺いたいと思います。

○政府参考人(青木功君)
 雇用保険の失業等給付にかかわる保険料分についてのお尋ねでございます。
 御案内のように、バブル崩壊後、厳しい雇用失業情勢が続きました。雇用保険そのものは、御案内のとおり、景気によって失業者には波動がありますけれども、受給者が増えたときにも支払ができなければなりませんし、一定の幅でそのリザーブを持ってセーフティーネットとしての機能を果たすように仕組んでおります。
 そこで、この状況がどうだったかと申しますと、例えばいわゆる保険料を受け取って保険給付をするという意味での経理でいきますと、平成六年度から平成十四年度まで九年度連続で赤字でございました。したがいまして、最盛期に四兆七千億ございました積立金が平成十四年度には約四千億、一か月の給付費にも満たないところまで参りました。
 そのような事情がございまして、平成十五年に法律改正をお願いをいたしました。
 で、これは、一つは保険を受ける方々についても就職の努力その他様々なことをしていただいて、給付が出る方を減らしていくというのが一つ。それから、一方で、しかしそれにも足らない分については労使に御負担をお願いするという考え方で行いまして、ただいま先生がお話しになりましたように、労使の折半保険料を千分の十六に引上げを行いました。
 しかしながら、大変厳しい雇用失業情勢が平成十四年、十五年続いておりました。そういったことで、経営者の方々も非常に厳しいということで、十四年度の補正予算で早期再就職者支援基金事業ということで実質的に保険料の千分の二相当分の御支援を一般会計からいただき、保険料率を十五、十六年度に限り従来のままの千分の十四で据え置きました。
 そういったことで戻ってまいりましたが、最近若干厳しい情勢から変わった部分もございまして、千分の十六ということで今年度からお願いをするものでございます。

○中原爽君
 分かりました。
 失業保険、失業等給付保険料につきましては、ちょっと時間の関係で割愛いたしますが、雇用保険の三事業について、この十五年度の予算額が二千六百三十一億円でありますが、その使用いたしました実績額が千四百五十一億円で、実績の割合が五五%、約半分、予算の半分しか使われていないということが先般、三月にマスコミ報道や何かで盛んに報道された経緯がございます。
 しかし、これは今お話しのようにいろいろ景気状況によって左右されることでありますから、予算組みそのものが全部消化されるというわけにはいかないという事情がございます。それに伴って、この三事業の十六年度分のいろいろな目標、見直し、こういったことと、十七年度分についても新たな目標が設定されているわけでありますけれども、この点につきまして、あと二分ほどでございますので、御答弁をお願いしたいと思います。

○政府参考人(青木功君)
 手短に申し上げます。
 雇用保険制度三事業を適切に運営するために、平成十六年度から事業目標を設定いたしました。そして、今年度になりまして、その目標の成果が今年度表れるわけでありますので、目標設定の状況、そしてその目標に対する事業運営状況の検証、そして、その検証をした上で、その制度についての存続あるいは拡充、見直しといったものをやって、不断の検証をしながら、またさらに、これを公表をすることにより、透明性を持たせながらこの事業運営の効率化を図ってまいりたいというふうに存じます。

○中原爽君
 十六年度の目標の結果がこの六月に出るわけでございますので、それを含めて十七年度につきましてもよろしく御指導をお願いしたいと思います。
 以上で終わります。


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Last-modified: 2008-03-19 (水) 11:48:34 (4494d)