Top / 151 参議院 国民生活・経済に関する調査会 3号 平成13年02月23日

○中原爽君
 自由民主党の中原でございます。
 まず、厚生労働省にお尋ねをしたいと思います。
 少子化問題についてでありますけれども、本調査会は、昨年度来、この問題についていろいろ参考人をお呼びいたしまして御意見を伺ってまいりました。そのときに、人口問題研究所の塩野谷祐一所長の御意見を伺っておりました中で、私、質問をさせていただいたんですが、男女共同参画社会が完成された場合に合計特殊出生率はどのようになるのかという質問をいたしましたところ、塩野谷先生は、シミュレーションをした結果、男女共同参画社会が達成されると合計特殊出生率は一・七八まで回復すると、こういうお答えをいただきまして、大変意を強くしたところであります。
 しかし、現状、いろいろの御説明でありますと、現在の総人口一億二千六百万人を維持するためにはこの合計特殊出生率二・〇八を維持しなければいけないと、こういうことも言われております。しかし、考え方としまして、この二十一世紀の日本の社会がどのような社会構造、構成になるのかということと、この一億二千六百万の総人口を本当に維持しなければいけないのかということ、そういう考え方と、あるいは社会構造そのものを男女共同参画社会という方向に位置づけていく、その中で自然に出生率も上がっていくというふうに考えるのか、考え方の方向によりまして二極に分かれるような感じもいたします。
 しかし、問題は、やはり子供が生まれてくれないといけないわけでございまして、ただいま御説明をいただきました厚生労働省の資料の中の二ページでありますけれども、子供が生まれる以前の問題といたしまして不妊治療についての御説明を二ページからいただいたところであります。いろいろな問題で、御夫婦の中、どうしても子供が欲しいんだけれども、不妊の状態が続いているということであります。次の三ページになりまして、この不妊の治療の問題につきまして、不妊専門相談センターの事業を十三年度においては三十カ所までふやす、それを予算案に盛り込んだところである、これは今後新エンゼルプランに基づき平成十六年度までに全都道府県に拡大すると、こういうことの御説明をいただきました。
 このことについて、大変各論的で申しわけないんですが、出生率を回復するという意味においては、やはりこの不妊にかかわる治療というものも、この対策も大変重要な位置づけに恐らくなるのであろうと思うんです。生まれてきた子供たちを大切に育てるということももちろん大事でありますけれども、やはり出生、出産ということについて検討していくということも基本的な考え方であろうと思います。
 したがいまして、この不妊専門相談センター事業等を含めて、これが後ほどの十一ページでございましょうか、二十四カ所を三十カ所にふやすというような計画でございますけれども、この具体的な今後の考え方についていかがでございましょうか。どうも各論的で申しわけございませんけれども、御説明を、局長で結構でございますが、御答弁をいただければと思います。

○政府参考人(岩田喜美枝君)
 先生御心配のとおり、今結婚なさっている夫婦の十組に一組が不妊で悩んでおられるというふうに聞いております。そういうことで、不妊に悩んでいる御夫婦が、男女ともですが、気軽に相談できて、治療方法についていろいろアドバイスをいただけるようなそういう相談窓口を全国に整備したいというふうに思っておりまして、現在ございます二十四カ所を十三年度には三十カ所に拡大したいというふうに思っておりますけれども、計画期間中には全都道府県にそういう相談センターの核になるようなところをつくってまいりたいというふうに思っております。

○中原爽君
 ありがとうございました。
 この予算組みについて、八千八百万の予算でございましたでしょうか、この関係についてはどういうふうに今後考えていったらいいかということをちょっとお尋ねしたいと思います。

○政府参考人(岩田喜美枝君)
 十三年度予算では、三十カ所の設置経費といたしまして、国が二分の一を補助し、都道府県が残りの二分の一を負担するという構成でございますが、三十カ所として八千八百万円程度の要求をさせていただいております。
 先ほど申し上げましたように、十六年度、これが新エンゼルプランの最終年度でございますが、十六年度には四十七都道府県にすべて一カ所ずつ設置をしたいというふうに思っておりまして、計画的にその設置箇所の拡大に伴って予算規模も拡大して要求してまいりたいというふうに思っております。

○中原爽君
 わかりました。ありがとうございます。
 それでは、時間の関係で、文部科学省にお尋ねをしたいと思います。
 これも各論的にお尋ねしますので申しわけございませんけれども、御説明をいただきました資料の最初の一ページに育英奨学金事業の充実ということで、この関係の貸与人数の増員、月額の増額等について数字的に御説明をいただきました。
 しかし、我が国の急速な少子化に伴いまして、国民一人一人の意識ということと、それと我が国が全体的に高学歴化していくという状況の中で、やはり高等教育段階における学費負担、これが家庭にとって大きな経済的な負担になる。しかし、少子の、少ないお子様のことについては、やはり十分な教育をしたい、したがって高等教育まで教育を続けるという、そういう状況になっていると思うんです。したがって、こういう意味で高等教育にかかる経済的負担ということがますます増大していくだろうというふうに思います。
 御説明にありますように、義務教育段階におけるいろいろな育英の問題については十分承知をしているところでありますけれども、高等教育にかかわりますこの奨学育英の基金、人数をふやす、それから奨学金月額の増額も大変いいわけでありますけれども、結構でありますけれども、現在の社会情勢の中からいいますと、民間でやっております育英奨学の団体、こういう団体が大変経営困難に陥っているという状況もございまして、こういったところを、今後高等教育に入っていく十八歳前後のこういう人たちの経済的自立といいますか、外国のようにいろいろなところから奨学金をいただけるというような制度、こういったことの整備、条件整備を文部科学省としては今後どういうふうにお考えになるか、概略で結構でございますが、御意見を伺いたいと思います。

○副大臣(河村建夫君)
 中原委員御指摘のように、子供を持つ親といいますか、これから子供を持とうとする方々へアンケート等で問いますと、将来の不安の中に、やっぱり子供を育てるあるいは教育する上での経済的な負担といいますか教育費、これに対する不安というものが非常に大きなウエートを占めておることは承知をいたしております。
 そこで、奨学金をふやしていってできるだけ親の経済的負担を軽くしていくという方向をこれまでもとってきたところでございますが、そのことがひいては少子化の歯どめになると、こう考えておるわけでございます。
 特に、今委員御指摘のように、十八歳以上については奨学金で大学等に行き、そしてみずから奨学金を返していくことによって自立をしていくということが必要であろうと、こういう見地もあるわけでございまして、ぜひこれからも奨学金はふやしていきたいと、こう思っておるわけでございます。
 奨学金には無利子奨学金、それと有利子と二つあるわけでございまして、いわゆる育英を奨学する、奨励する、こういう形の無利子のものと、それから、できるだけ多くの学生を支援するという観点から、有利子の枠というものもふやしておるわけでございます。現在、七十五万三千人の学生がこの恩恵にあずかっておるわけでございますが、無利子が四十二万二千、それから有利子が三十三万一千ということでございます。
 平成十三年度の予算におきましても、無利子の奨学金も七千人ふやしておりますし、また、有利子につきましては五万五千人ふやすということでございます。
 ちなみに、平成十年度のころのいわゆる有利子の貸与人員は十万人であったものが、平成十三年度では三十三万ということで、相当思い切ってふやしておるわけでございます。しかも、借りやすくなるようにということで、学力基準であるとか家計の基準、そういうものを緩和して、原則として、希望する学生には奨学金をお貸ししましょう、そのかわりみずからの力でお返しくださいと、こういう方向で今進めておるわけでございます。
 今、低利子の中でございますので、この有利子といえども三%以内ということになっておるわけでございます。また、育英財団、いろんな財団もあるわけでございますが、低利子ということでございますからなかなか経営も大変だと伺っておるわけでございますが、財投も形は変わってまいりますが、そういう資金をしっかり確保して、これからも奨学金の充実にさらに努めてまいりたいと、このように考えております。

○中原爽君
 ありがとうございました。
 引き続きまして、現在の少子化に伴い核家族化という現象が起こっておりますが、いずれにしても、教育ということの一番の出発点というのは、家庭教育から始まるわけであります。
 しかし、この核家族の中で子育てに対するいろいろな問題が起こっております。子供に対する虐待の問題、こういったところが今大きな社会問題になっているわけでありますけれども、文部科学省としては、この資料にもございますけれども、三ページに、家庭教育手帳であるとか家庭教育ノートであるとか、こういったことについていろいろ対策を考えておられるわけでありますけれども、就学以前の家庭の状況と、それから就学時以降の学級崩壊と呼ばれるような状況との関連について、どういうふうに考えたらいいのかということであります。
 就学以前の家庭での教育という問題、これはもちろん支援をしていただいているわけでありますけれども、しかし、その支援の中でやはり就学の時点で学級崩壊が起こるというような現象、このことについて文部科学省としてどういうふうにお考えになっているか伺いたいと思います。

○副大臣(河村建夫君)
 現在の教育現場の学級崩壊等々、いろんな現象があるわけでございまして、そのことを憂えながらもこの緊急な対策が必要だと考えて、あの手この手考えながら、また、総理の私的諮問機関であります教育改革国民会議にもいろんな提案がございます。そうしたものを受けとめてこの対策を練っていかなきゃいかぬと思っておりますが、やはり幼児期といいますか就学前のきちっとしたしつけ、アメリカの学者なんかが言いますと、人生で生きていく上に必要なことはほとんど幼稚園の砂場で学んだと、こういう本も出ているような状況でございます。
 そういうふうに言われておるわけでございまして、その時点でのしつけを初めとする教育をきちっとやっていく。特に、文部科学省としては、その幼児教育を引き受けるのは幼稚園でございます。就学前の幼稚園での子育て機能をしっかり充実していく。そして、同時に幼稚園が子育ての上での支援センターになり得るように、例えば幼稚園に行かない親御さんたちについても一緒にやっていくということが必要であろうと、こう思っておりますし、と同時に、幼稚園の子育て支援活動の中には、保育所も別の厚生労働省の管轄であるわけでございますが、幼稚園側としても預かり保育というようなものも充実しながら対応していくということでございます。
 特に、この問題、今、中原委員御指摘の問題、非常に大事な問題でありまして、文部科学省、文部省当時でございますが、事務次官のもとへ幼児教育に関する調査研究協力者会合というものを持ちましていろいろ議論をいただき、御報告をいただいております。その中で、今申し上げたように、幼稚園というものがそうした子育てを支援するセンターとしての役割を果たすためには、同時にその親も、子と一緒に育っていかなきゃいかぬだろうと。特に今回のしつけの問題等になりましては、親の教育も必要だという指摘もあるわけでございます。
 そういう意味で、幼稚園等がそういう機能を果たしながら、現在の教育現場で起きておりますそういういじめであるとか、そういうようなことを幼児期の段階で予防できるようなしつけができるような幼児教育といいますか、そういうものをもっと強めていかなきゃいかぬだろうと、こういう認識でおるところでございます。

○政府参考人(三沢真君)
 国土交通省の住宅局長の三沢でございます。
 今お話しございましたように、これから子育てのしやすい居住環境の実現という観点からは、やはりゆとりある質のいい住宅というのは大変大事でございます。その中でも、今御質問の賃貸住宅、これにつきましては、いわゆるファミリー向けの、広さもそれなりにあって家賃もほどほどの家賃で入れる、そういうファミリー向けの賃貸住宅の供給が不足しているというのがやはり実態でございます。
 そこで私どもは、一つは公的な主体が直接供給するという形で、これは公団の賃貸住宅がございます。これにつきましては、既存の、既に供給されましたストックとしては七十四万戸程度ございますが、さらに来年度予算の中で一万二千五百戸程度計画しております。そういった一つは、公団の既存のストックも含めて、それをまた適宜適切にきちんとメンテナンスし、あるいは改良しながら、お住まいになる方のニーズに合わせて供給していくということが非常に大事かと思っております。
 それからもう一つは、特定優良賃貸住宅でございますが、これはそういう公団とか公社のような公的主体ではなくて、民間の事業主体がそういう良質なファミリー向けの賃貸住宅を供給するということについて、国の方で建設費の補助であるとか、あるいは一定の家賃と入居者の負担の基準額との差額について補助する、これは国と公共団体で補助するということでございますが、そういう仕組みがございます。
 これは、できるだけ民活型でそういう優良なファミリー向けの賃貸住宅の供給を促進するという趣旨からの制度でございまして、来年度の予算戸数で言いますと三万戸を予定しておりますけれども、これにつきましても引き続き力を入れて事業を進めていきたいというふうに考えております。

○中原爽君
 ありがとうございました。時間が来ましたので、終わります。


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Last-modified: 2008-02-28 (木) 09:38:59 (4596d)