Top / 145 参議院 国民福祉委員会 13号 平成11年07月27日

○中原爽君
 自民党の中原でございます。
 介護保険が準備段階でありますので、きょうはホームヘルパーにつきましてお尋ねをまずしたいと思います。
 三月十五日の日付でありますけれども、医療保険福祉審議会の老人保健福祉部会長並びに介護給付費部会長から宮下厚生大臣に答申書が出ておりまして、介護に係ります訪問介護について二点答申がございました。
 内容については、「介護サービスの量的な拡大を図る観点から、訪問介護を担当する者の要件については、当面、三級研修を修了した者もその対象とすることはやむを得ないと考えられるが、その場合においても、採用後の研修機会の確保等を通じて、サービスの質の向上に努める」ということが一点、それから「チーム運営方式による質の高い訪問介護の提供が可能となるよう、事業規模に応じたサービス提供責任者の配置を適切に行うとともに、介護報酬の設定に当たっては、二十四時間巡回型サービスなどサービスの提供形態に応じた実態を十分に踏まえる必要がある。」と、こういう答申でございました。  その後、七月七日に部会が開催されまして、また昨日は最終的にこの三月の答申に沿った形の審議が進められておるわけであります。
 現在、厚生省の新ゴールドプランによりますと、平成十一年度のホームヘルパーの養成につきましては十七万八千五百人という予算ベースを計上しておりまして養成に努めているわけでありますけれども、実際には現在養成の研修修了者については二十九万二千名ほどおられるということでありますけれども、その約半分が三級の資格者でありまして、十五万八千人ほどおられるということであります。
 先ほどの答申あるいはその後の部会において審議されました内容については、資格に対応した介護報酬について、特に二級と三級の間で線引きをいたしまして、三級については二級に比して報酬を低減するということが進められているわけであります。
 しかし、本来の目的といいますのは、先ほどの答申書にもありましたように、三級の研修を修了した者もその対象とすることはやむを得ないけれども、採用後の研修機会の確保を通じてサービスの質の向上に努めるということでありますから、すなわち三級の方々を二級という資格に昇格する、ステップアップすることで質の向上を図るということが趣旨であろうかというふうに思います。すなわち、その報酬に差があるということが主体ではないということであろうかと思います。
 この辺の今後のステップアップと同時に、質的向上をするという意味合いにおいては、現在、三級のホームヘルパーの養成の基準は五十時間という研修の養成期間になっておるわけでありますけれども、二級の場合には百三十時間、一級の場合には二百三十時間という研修の養成時間が必要になるわけであります。しかし、三級については非常勤という取り扱いになっておりまして、二級以上の常勤の職とのかかわりが勤務形態によって違っている格好になっております。
 そういうことも含めて、三級の方々を二級に昇格し、かつ質的向上を図るためにはいろいろ実習などの研修を積み重ねていくということになるわけでございますので、このあたりを実際上の問題としてどういう形でこの研修、要するにステップアップのシステムを考えるかということを、都道府県単位で考えていくことも必要でありますけれども、もともとの厚生省としてのお考えをまずお聞きしたいと思います。

○政府委員(近藤純五郎君)
 先生御指摘のとおり、昨日の医療保険福祉審議会におきまして、三級課程の修了者によります訪問介護、ホームヘルプでございますけれども、これを低く設定する、こういう提案をさせていただいたわけでございます。
 したがいまして、審議会でもいろいろ御議論がございましたが、今後、三級課程の修了者のホームヘルパーが可能な限り二級あるいは一級に、上位の資格を得られるように受講等の受け皿みたいなものをつくっていく必要があるというふうに思っております。ただ、三級ヘルパーで上位にならない方も当然いらっしゃるわけでございますので、そういう方がいつまでも三級のままでとどまっていいのかという質的な面で問題があるわけでございまして、年限を区切ってやったらどうか、こういう御意見もあるわけでございまして、そういうことも含めて今後の検討課題ということで検討させていただきたい、こういうふうに考えております。

○中原爽君
 ありがとうございました。
 先ほど申し上げましたように、養成の時間数が三級は五十時間、二級については百三十時間ということでありますけれども、これを今お話しのように昇格をしていくというステップアップの段階でありますと、一番問題になるのは実習をどういう形で積み上げて二級に昇格できるかということであります。すなわち、実習を行う施設というのは限度がありまして、無限にその養成の施設があるわけではありません。
 したがって、実習を受けたいと思っても時間待ち、順番待ちというようなことが起こり得るわけでありますので、そのところを踏まえてヘルパーの資格の状況を積み上げていきませんと、大半が三級のヘルパーである、ホームヘルパーの半分が三級のままにとどまっているという状況は大変ぐあいが悪いというふうに考えているわけであります。  もう一点、ホームヘルパーのチームの運営方式につきまして答申が出ているわけでありますけれども、厚生省のお出しになっておりますパンフレットの中で、先ほどの十七万人の養成のほかにホームヘルパーのステーション、これを一万カ所ふやすということがあります。これは予算措置ではありませんで、努力目標ということであろうかと思いますが、先ほどお話が出ておりますホームヘルパーのチーム運営方式を推進するという事業計画とあわせて二十四時間対応のヘルパーの巡回型の事業を推進するということでありまして、これはその推進のいろいろな規則が既に定められているわけであります。
 特にこのホームヘルパーのサービスについては、これから一級のホームヘルパーの方々が中心になりまして、ホームヘルプステーションあるいはホームヘルプサービスを行います運営方式について、看護婦さんであるとかケースワーカーであるとか、そういう方々と協力をしながらチームの運営を行うということについて、一級のホームヘルパーが主任という形、ホームヘルパーだけのチームでありますと主任ヘルパーという言い方になるわけでありますけれども、いずれにしても一級の資格ということが必要になってまいります。したがって、ここで言っておりますホームヘルプサービスのチーム運営あるいは二十四時間対応の巡回型の事業ということについて、一級の資格者のかかわり、あるいはその整備状況についてお尋ねをしたいと思います。

○政府委員(近藤純五郎君)
 ホームヘルプサービスチームの運営方式でございますけれども、これは他のサービスとの連携調整を行います主任ヘルパーが当然配置されていなきゃいけないわけでございまして、その主任ヘルパーを中心にいたしまして他のホームヘルパーを指導する、こういう体制ができているのをチーム方式と言っているわけでございます。
 平成三年度からこの方式で推進を図っているところでございまして、平成九年度末で全国で二千八百十一チームができているわけでございまして、本年度からはすべての市町村でチーム運営方式で実施することを原則といたしているわけでございます。
 また、二十四時間対応の巡回型ホームヘルプサービスでございますけれども、これにつきましては平成七年度から加算制度を設けましてその体制整備に努めてきているわけでございまして、平成十年度末現在で百七十八の自治体で加算を受けて実施しているということで、そのほかにも二十四時間対応でやっているところもあるわけでございます。
 こうした中で、主任ヘルパーにつきましては、これまでは先生御指摘のように介護福祉士と一級の研修修了者に限定してきたわけでございまして、これまでは特段支障なく確保できていたというふうに認識しているわけですが、これからふえてくるわけでございます。特にホームヘルパーの就業実績を重視するということで、介護福祉士と一級の研修の方に加えまして、就業実績がある方は、二級課程の修了者でございましても三年以上の実務経験がある方は主任ヘルパーにできる、こういうふうな予定にいたしているわけでございます。したがいまして、こういう措置によりまして主任ヘルパーは円滑に確保できるんじゃないか、こういうふうに思っております。

○中原爽君
 ありがとうございました。
 御指摘の介護福祉士に対しますホームヘルプサービス事業の委託ということは既に行われているわけでありますけれども、ただ介護福祉士の免許を持ったばかりの方がこのホームヘルプサービスにかかわるということも実務の経験としては不足であろうかということでありますから、あくまでもこのホームヘルパーの、今御指摘の二級も含めてこういった主任の仕事をするということをふやしていく必要があろうかということであります。これは都道府県がホームヘルパーの養成をするという格好になっているわけでございますので、厚生省からの御指導もひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。
 先日、ケアマネジャーの資格試験などもございましたけれども、ケアマネジャーはケアプランを立てられるというところでありますけれども、その立てられたプランを実質的に実施するのがこのホームヘルパーの方々であろうかということでありますので、実態としてはこちらの方が、ホームヘルパーの仕事の方が重要ではないかという意見もあるわけであります。
 それでは、もう一点お尋ねをしたいと思います。
 お手元に資料を三部ほど配付させていただいております。
 先般、五月十八日に衆議院の方の厚生委員会で吉田幸弘衆議院議員が医科と歯科の診療報酬の改定率の差異、それから医科と歯科の初診料、再診料の差について質問をされておりまして、そのことについて歯科領域の立場から確認をさせていただこうと思っております。  吉田幸弘衆議院議員は歯科医師でございますので、そういうお立場での御質問をなすったわけであります。それで、その質問に対する政府委員のお答えは大体概略次のようでございました。
 かつての改定率でいえば歯科が高かったこともある、また医科が高くなったこともある、直近の平成十年度の改定においては医科、歯科ともに改定率は一・五%であった、こういう御回答でありまして、これが一つ。
 それからもう一点は、初診料と再診料というところだけを取り上げて目を通しますと、医科と歯科の間では確かに差があるということはそのとおりであるけれども、それは今まで歯科の領域が改定の点数配分について、歯科特有の補綴、要するに義歯、入れ歯の領域に技術料の部分を振り分けて、初診料の方には点数を配分されなかったというようなお答えがあったわけであります。そのことについて確認だけとらせていただこうと思います。
 お手元の資料1でありますけれども、昭和四十二年からの医科と歯科の診療報酬改定率のパーセントの比較であります。
 昭和四十二年から五十三年までは確かに歯科の診療報酬改定率の方が上でありました。たまたま四十七年二月は一三・七ということで同じ比率でありました。しかし、線引きをしておりますが、昭和五十六年以降は逆転をいたしまして、はるかに医科の改定率の方が高いという状況が続いておりまして、先ほどお答えがありました平成十年四月は一・五、一・五ということで同率になっているということであります。このことを言葉でお答えをいただきますと先ほどのようなお答えになるわけであります。
 問題は、四十二年から五十三年までは歯科の改定率が高かったわけでありますけれども、五十六年から逆転をしたということでありまして、何でこういうふうになったかということを吉田衆議院議員はお尋ねになったのであろうというふうに思っているわけであります。
 明らかに五十三年と五十六年の間で差が出たということでありますので、診療報酬改定についての改定の仕方がここで変わったのであろうというふうに思います。この点についてお尋ねしたいと思います。いかがでございましょうか。

○政府委員(羽毛田信吾君)
 診療報酬の改定率につきましては、今、先生御提示のございました資料のような経過をたどってきたことは御指摘のとおりでございます。
 これにつきましては、これまで診療報酬の改定率は、医科あるいは歯科につきましても同様に、医療機関の収入あるいは人件費、物件費などの諸費用の総合的なバランスという形の中で医療経済の実態調査などもしながら決めていく、その時々で大分やり方等についてもいろいろございますけれども、基本的にはそういった医療機関の収入と費用との総合的なバランスを見るという中で今日まで来たということでございます。
 そうした中で、御指摘のような形で五十六年以降しばらくは改定率だけを見ますと医科の方が歯科よりも上がっているような状況が続き、それが平成十年には医科と歯科、同率の一・五%の引き上げということになったということでございまして、それぞれについて特段にこれはこういうことであったから低くしたんだということではなくて、総合的なバランスの中でその時々で決めてまいったということの結果だというふうに承知をいたしております。

○中原爽君
 今お話しいただきましたのは五月にお答えになりました内容と大差はないわけでございます。
 どうして五十三年と五十六年の間でこういうふうにバランスが逆転したかということについては、恐らく五十六年の時代に第二次臨時行政調査会からの御意見がございまして、医療財源が枯渇をしてきた、そのために薬価を引き下げて、浮いております薬価を引き下げた分の経費を技術料に配分するという形が行われたようであります。したがって、薬を使う率の多い医科は技術料の上乗せ分が多くなった、しかし薬をほとんど使わない歯科については薬に基づいた医療財源の配分がほとんどなかった、そういう状態のために五十六年以降こういう格差がついたということであろうと思います。
 それと、平成十年については同じく一・五、一・五という御指摘でありますけれども、このときは御承知のように中医協の場で実態調査の結果に基づいて厚生大臣に中医協からの改定を要するという答申が出ないままで年が明けました。そして、当時の与党三党の政調会のところでこの一・五という人件費と物件費を出すということが決められたわけであります。まことに異例の決め方であります。この一・五の財源というのは当時千三十億円であります。それは、薬の差から、引き下げた分から財源を出したということではありません。全く別のところから厚生省としてこの一・五%の財源をお出しになったということでありまして、それで技術配分をすれば両者一・五になった、こういう経過であろうと思います。
 それから、資料2でございますけれども、ただいま私が申し上げましたように医科と歯科の技術と薬の薬剤料の差であります。医科は薬を三一%ほど使っておられる、我々歯科は一・二八%しか薬を使っておりません。ということは、歯科の疾患というのは薬を飲んで治るような疾患ではないわけでありまして、点滴をしたから抜けた歯が生えてくるということはないわけでありますし、薬を飲んだから虫歯の穴がふさがってくる、そういうこともないわけであります。したがって、医科と歯科の薬の使い方というのはこれだけ格差があるわけでございます。したがって、三〇%の上に乗っている医療財源あるいは一・二八%に乗っている医療財源を技術料に振り分けるということであれば、確かに歯科は損をするということになるわけであります。それを申し上げたいと思っておりました。
 それで、今回、平成十二年度を目途に医療制度あるいは医療提供体制を改革するんだということが言われておりますが、平成九年当時の与党協の意見書では、新しい診療体系の構築については技術、物、ホスピタルフィーの評価をする、こういうふうにおっしゃっておられる。また、同じ平成九年の八月に厚生省も意見書を出されておりまして、技術、物及び施設管理費用を明確に区分した評価体系の構築を提唱する、こういうふうに言っておられるわけであります。
 それから、ことしの一月になりまして、医療保険福祉審議会の制度企画部会からはこういう意見書、作業部会の報告が出ております。薬や治療材料の物の評価と医療に係る技術評価の間に不均衡が生じている、これを是正しろ、こういうことであります。薬や治療材料の物の評価と技術の医療に係る技術の評価を明確に区分してそれぞれきちっと評価をするんだ、こうおっしゃっておられるわけであります。こういう考え方でいけば、薬を使わない領域の部分とそれに対応した技術の部分ということで、当然医科と歯科の技術に対する考え方が違うということを申し上げたいと思います。
 それから、資料3でありますけれども、これが吉田代議士がお尋ねになりました初診と再診の差異であります。ごらんいただきますと、特に初診料については、五十一年、医科が九十点、歯科が九十点でありまして、この時代から昭和五十九年までずっと同じ点数でありました。しかし、昭和六十年以降は大差がつくという状況が続いているわけであります。  私は、特に今回初診料で申し上げたいんですけれども、歯科が初診料に重点的な点数をつけないで、補綴すなわち義歯の領域に点数をつけたために結果的にこういうふうになったというふうにおっしゃっているわけです。しかし、先ほど来ごらんいただいておりますように、昭和五十六年以降、医科に比べて総枠の歯科の点数配分が少なくなったということを踏まえて、歯科の場合には医科と同じような形の初診料の点数を持ち上げられなかったという結果がこういう状況になっているというふうに理解をしているわけであります。
 再診料については、それぞれその頻度によりまして診療科によって大差があるわけであります。全体的に申し上げますと、歯科の場合には医科に比べて再診の頻度は三倍ぐらい高いわけであります。したがって、同じ点数をつけようということを考えますと、医科に比べて三倍の医療財源を要する、こういうことでありまして、この点についても医科と歯科と同じような再診料の形はなかなかとれないということでございます。
 こういう考え方でよろしいかどうか、お尋ねをしておきたいと思います。

○政府委員(羽毛田信吾君)
 初診料、再診料等の診療報酬の中身にわたってのお尋ねでございます。
 今までの経過で申し上げますと、先生もお引きをいただきましたけれども、今までの経過の中で改定の中身としてどこに重点を置いていくかというときに、初診料、再診料については、今までは歯科領域についてはどちらかというと他の技術料配分に重点を置いてきたということもあってこんなお挙げをいただいた資料のような状況になってきたものというふうに思っております。
 しかし、いずれにいたしましても、歯科も含めまして、診療報酬改定のあり方につきましては医療保険の抜本改正の課題の一つでございます。その中で、いわゆる技術の評価重視あるいは歯科についていえば、歯科の特性をどう配慮していくかということは抜本改正の中においても大きな課題だというふうに挙げられております。
 したがいまして、今、具体論としては中央社会保険医療協議会での御議論が出ておりますので、そうした中で全体の医療の質の向上、給付と負担の均衡の確保あるいは医療資源の効率的な配分といったような観点も含めまして総合的な検討をしていただく。また、その前提として目下医療経済実態調査を実施中でございますから、この結果をも踏まえまして、そういった中でそれぞれの医療経済がどういうふうになっているかということをも踏まえて最終的に結論を出していくことになろうかというふうに思います。

○中原爽君
 ただいまお答えをいただきましたとおり、先ほど来から申し上げておりますけれども、平成十二年度を目途に医療保険制度並びに提供体制について抜本改正が行われるわけでありますので、私が今申し上げたこと、すなわち医科の領域と歯科の領域というものがそれぞれ担当しております疾患形態に対しまして対応の仕方が違うということを十分に今後お考えの上で改革を進めていただきたいということをお願いいたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。


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Last-modified: 2008-03-19 (水) 22:59:10 (4257d)